slowly life 〜読書、美術館巡り、ワイン、コーヒー〜

気ままに日頃考えていることを文章にまとめるブログ。

認知バイアス事典 論理学① 二文法の誤謬 ソリテス・パラドックス 多義の誤謬 循環論法 滑りやすい坂論法 早まった一般化 チェリー・ピッキング ギャンブラーの誤謬 対人論法 お前だって論法



前回の記事でバイアスに関する本を読んでいると書いたが、最後の方に、バイアスを覚える!という目標を書いた。
バイアスについて考える - slowly life 〜読書、美術館巡り、ワイン、コーヒー〜
記憶に定着させるため、ブログ記事にまとめながら勉強していこうと思う。
使用する本はこちら



こちらの本は論理学、認知科学、社会心理学、3つの研究分野からアプローチされている。
監修者高橋昌一郎先生によると認知バイアスに分類される用語は数百以上もあるらしい。
そこから厳選し60個紹介されている。
この記事では論理学からアプローチされた認知バイアス20個を2つの記事に渡ってまとめてみる。


認知バイアスについて気になる、勉強しようと思う人達は、それぞれに様々な理由があることだろう。
私は論理的思考を身に付け夫婦討論に負けない!が目標である。
よっしゃ気合いを入れよ!


二分法の誤謬
実際にはより多くの選択肢が存在するにもかかわらず、限られた選択肢しかないと思い込んでしまうことにより生じる誤謬。


家を購入したいと不動産へ行った時の話。
条件の合う素晴らしい家に出会って欲しい気持ちになっていた。
「前金10万円を本日払って頂いたらこの確約できます。いくつも問い合わせがきているので、明日には売れてしまうかもしれないです。」
ここで出てくる2つ
・今10万円払ったら家が手に入る
・今払わなかったら家が購入できない
の2つの選択肢しか無いように感じてしまった。
本書にある2のn乗で考えてみると
「今10万円を払わなくても家が手に入る」もある。
隠された選択肢はまだまだある。
「この家以外にもっと条件の良い家を探す」


本書では、
・壺を買ったら幸せになる
・壺を買わなかったら不幸になる
という例が紹介されていた。
精神的に追い詰められた時は2つしか選択肢がないという考えに陥りやすい。
どんな状況でも2のn乗で物事を考えよう。
何か物を買うときは営業の口車に乗らないようにしたい。



ソリテス・パラドックス
定義が曖昧な語を用いることによって生じる誤謬。


ソリテス・パラドックスの一つに砂山のパラドックス、ハゲ頭のパラドックス、ロバのパラドックスなどの概念がある。
一番わかりやすい概念はハゲ頭のパラドックスだと思った。
ハゲに髪の毛が一本加わってもハゲのままである。
何本加えたらハゲではなくなるのか?
ハゲという状態とハゲじゃない状態のボーダーラインがわからない。
そのボーダーラインの定義について明確に決めていけば、その後の議論にまとまりが出ていくだろう。
定義付けの大切さを教えてくれるバイアスである。


例)会社内で、若者をターゲットにした商品を開発したいので、案を挙げよと言われたが、若者の基準が人によって曖昧であるので、具体的な年代を絞って考える必要がある。



多義の誤謬
2つの前提の中で同じ語が、関連はあるが異なる意味で用いられることにより生じる誤謬。


「適当にやっておいて!」
その適当って?
適当という言葉に「いい加減な」イメージを持つ方も多いと思うが、「状況や条件に応じて適切な行動をとる」という意味合いが強いという。
関連するものに②ソリテスト・パラドックスが挙げられているが、「言葉」の指し示す意味が共有できていない状況だと思う。
言葉に慎重になるべきだなぁと感じるバイアスである。



循環論法
論証されるべき結論を、前提として用いる議論。


Aさんは信用できる→とてもいい人だから→いろんな人を助けてきた→いい人


言っていることが同じであるにも関わらず説得力が上がったように感じてしまう。
循環論法では、最終的には何も正当化されないまま空虚な議論が永遠に続くことになる。
日常会話では意識しないままこの様な論調で喋ってしまいことがしばしばある。
ただ、この論法を使用した勧誘は多い。


例)私たちの製品/サービスは最高品質です。なぜなら、多くの人々がそれを選んでいます。そして、多くの人々がそれを選ぶのは、それが最高品質だからです。ですから、あなたも私たちの製品/サービスを選ぶべきです。



滑りやすい坂論法
比較的小さな最初のステップが、その後の起こるべきではない結果に導く一連の出来事を不可避的に引き起こしてしまうので、その最初のステップを起こさないようにしなければならないと主張すること。


一瞬因果関係があるように感じられるが、例外が見つけられるとことが多い。


例)司法試験に合格しないと弁護士になれない。弁護士になれないとお金に困る。お金に困るといい暮らしができない。いい暮らしができないと幸せになれない。(本文より)
弁護士にならず公務員になってもお金に困らないなど例外を見つけることができる。



早まった一般化
十分なデータが出揃う前に一般化を行うこと。


少数の個別の事例やイメージから、より一般的なより広い範囲に対しても、その性質が成立すると述べること。
この早まった一般化を生み出す過程において、個別の対象が、ある性質を持っているということから、その個体が属する全体がその性質を持っていると結論づける帰納法が用いられている。


例)鳥はみんな飛ぶことができる。(例外ペンギンは飛べんぞ)


血液型、星座、干支占いなども代表例


一般化はマーケティングなどの場面では有効的だと言われている。
ただ、日常生活の中で、外国人って〇〇だよねと決めつけ発言をすると、様々な反論を浴びてしまう可能性があるので注意が必要。
よく夫に指摘され耳が痛い。
対策として対象を大きくしすぎないこと!



チェリーピッキング
都合のよい特定の証拠にだけ着目し、それ以外の不都合な証拠を無視すること。


チェリー・ピッキングに陥りやすい傾向の人は、自分に都合のいい証拠だけを提示することで、相手を説得しようとする。
不都合な証拠を隠して議論を進めようとしている。


無意識なチェリーピッキングというのもある。
おそらく大半の人が無意識に行っており、それを相手に話している。
チェリーピッキングをしたことで何度痛い目にあったことか。。。
不都合な証拠をきちんと把握した上で相手と話そうと思う。



ギャンブラーの誤謬
赤黒のルーレットゲームのような、1回ごとの試行が独立なランダム事象系列に対して、一方が連続で出た後は、もう一方が出るに違いないと考える誤り。


赤と黒の出方は1/2
黒が4回続いた後5回目で黒が出る確率は?
1/2である。
頭の中で無意識に1/2×1/2×1/2×1/2をしなかっただろうか?
「過去は未来に影響を与えない」



対人論法
問題の論点ではなく、論じている論者が持つ性質などを批判することで、相手の主張を退けること。


本人の意志では変えがたい属性を取り上げて攻撃することは、相手の尊厳を貶める差別であり、ご法度である。



お前だって論法
相手の主張が本人の振る舞いと食い違っていることを指摘し、論点をそらすことで相手を負かそうとする論法。


夫婦間でももちろんあるし、上司部下との関係の中でもある。
お前だって論法を夫に指摘された時、キレてしまったが、落ち着いてこの本の内容を読むと確かになと思う。


お前だって論法は⑨対人論法と合わせて、人格攻撃の一部である。
人格攻撃には大きく3つの種類がある。
対人論法、お前だって論法、状況対人論法
状況対人論法は、その人が自分自身の利益のために都合のいいことを主張しているに違いないと相手を非難する論法のことである。
この思考は結構陥りやすいなと思う。
嫌な上司から指示される嫌な業務など、この思考が働きやすい。
自分の中で、相手の悪意の様なものが被害妄想的に膨れ上がって相手を非難したくなってしまう。
この思考の循環で何度心を痛めたことか。
これ状況対人論法だよ!もう思考よ止まれっと言い聞かすしかないのかな。



以上!10個!!!
脳に定着させるぞーー。