slowly life 〜読書、美術館巡り、ワイン、コーヒー〜

気ままに日頃考えていることを文章にまとめるブログ。

フェミニズムについて考える



は今、フェミニズムの考え方に興味を持っている。


フェミニズムとは
社会・経済・政治などあらゆる側面において、女性が権利を獲得し、自由に選択できる社会を目指すための思想と、それに伴う動きを指す。


高校生の頃差別問題について考える授業があり
「永遠に無くならないものは女性差別だ」という言葉に衝撃を受けた記憶がある。
現在、差別を自覚するようなシーンは比較的少ない環境にいる(女性社会の中で生きているから)。
それでも夫との会話、他のコミュニティ、何らかの映画やドラマの中の男性の発言などから違和感を感じることもある。


私はフェミニズムを掲げて発言する女性に嫌悪感があった。
討論番組で白熱して喋るフェミニスト達を見て、理性的でなく感情でぶつけていると判断したからだ。
しかし真のフェミニストたちの発言は、聞くと理論的である。
議論する内容を明確にして進めていけば、感情をヒートアップさせず、討論できたのではないか。
議論した相手が悪かったのかなとも思ってしまった。


フェミニズムに関する書物を読むこともしなかった私の背中を押してくれたのは、ブックコミュニティにいるある女性のブログ記事だった。
「第二の性」シモーヌ・ド・ボーヴォワール
私は、第一巻の事実と神話を手に取ることにした。
読んでいても中々内容が頭に入ってこなかった。
私にとって神話はあまりにも架空な物語であり、読んだとて、実感が何も湧かなかった。
早々に本を閉じ、もう少しわかりやすい本を読むことにした。


「読書する女たち」
フェミニズムの名著は私の人生をどう変えたのか



ステファニー・スタール
アメリカ 作家 


自分の思想をとてもわかりやすく描いている。
読者は追体験するような感覚に引き込まれる。(子育て、読書体験、大学の講義)
彼女の受けた大学の講義で、教授が第二の性について否定的な意見を述べていた回があった。
彼女自身はボーヴォワールの思想に惹かれており、尊敬しているようだった。
その時は、例え先生や周りの生徒たちが否定しようとも、自分の思想は変わらないということを、淡々と論じていた。


教授のボーヴォワールに対する意見
彼女自身の人生は女性性という前提から離れていくプロセスでした。彼女は実存主義者であり、社会変革の主体として個人を見ていたのです。」



差別的発言になりそうだが、知識、論理的な対話で男性を負かせる(納得させる)女性の姿は、女性的でないと思われるのかもしれない。
私の周りにいる女性たちは男性に納得できるような話し方をするものが少ない。
いつも丸め込まれてしまう。
もしくはちゃんと聞いてもらえていない。
ボーヴォワールは女性の中でもマイノリティな存在であり、全女性の代表者ではない。

性差別に気づいた者にとっては、彼女に言論に勇気付けられるだろうが、大半の女性はそこまで深く考えていないのだろう。
かくいう私も、考えていない。


本書を読み通しても私はまだよくわからない。
女性であることに窮屈を感じることも多々あるが、
女性であることに甘んじてる部分もあることに気づいている。
やりたくない仕事はやらない。
それは男性の仕事だという態度。(軍人、土木建築など)
もちろん逆も。
それは女の仕事。(看護師、介護士、家事労働など)
最近は少数ながらもそれらの職に就く者もいるが、やはり積極的には選ばない。
政治においても日本は男女比が酷い。
私は政治をやりたいと思えない。


フェミニズムを推し進めると、フェミニズムに苦しむ女性も増えてくるとも言われる。
女性が選択するものが、依然として女性の多い環境であるという例はたくさんある。
男性と同じことをしたいと思う女性ばかりではないのも事実。
男女平等の延長で、女性も徴兵されることがあれば、苦しすぎる。
(そもそも徴兵のない世の中であって欲しいが)


最初にあげたフェミニズムの定義については、賛成である。
このような運動を推し進め、より女性の選択の幅が広がれば良いと思う。
ただ、自分自身の思想はまだ、男性に甘んじてるところがあるのは否定しない。
例え選択が狭まっても安心安全を求めてしまう。


私のこの傾向が変わる時は来るのか?
変わりつつある自覚はある。
今回本を読もうとしたきっかけも、夫に打ち勝つためという意識が芽生えたから。
家事分担だったり、休暇の過ごし方、TVチャンネルの選択権など、自分の権利について考える必要があった。
とても小さなことだけど、割と真剣である。



今回あげた2つの本には、歴史的に見た女性の権利の有無なども書かれており、昔の女性がいかに生きづらかったか、今、こんなにも改善されているのかと言う驚きが感じられた。
また、フェミニズムを掲げる女性が、感情的ではなく、いかに知的で、理論的に男女の不平等さに異論を唱えているかがわかり、感心した。


自分も知的な女性になりてぇ!!って気持ちにさせられた。
女性作家の書く本を積極的に読みたい!!!
フェミニズムについて考えるのはひとまず休憩する。