ハマトンの知的生活
フクロウの絵が表紙になってる本を進んで読もうと思い借りてみた。
フィリップ・ギルバート・ハマトン
イギリス 1834-1894年 画家・随筆家
この本は今までも何度か出版されている。
それぞれの本によって訳も異なるし、削られている章などもあるようだ。
特に気になっていた夫婦の関係についての章は残念ながらこの本には載っていなかった。
しかし、評判通り、確かに!と頷ける内容の多い、知的生活の数々。
以下、心を打たれた内容を抜粋する。
教養と知的エネルギーについて
記憶にもつ拒否力、拒絶力を尊重すること
覚えるべきものは覚え、忘れるべきものは忘れるというまことに重宝な記憶力、言うなれば選別記憶に恵まれているのかもしれない
時間の作り方、使い方
読書の技術について
自分にとって重要ではないものはすべて飛ばし、本当に必要なものは絶対に落とさないこと。
他にも素敵な言葉はたくさん出てくる。
何かにつまづいていたりどんな過ごし方をすれば良いのかわからなくなった時に、本書の必要な章を読み返すと勇気付けられる気がする。
この本を読んだ後、私はどうしても気になって、過去に刊行された本を借りて読むことにした。
削られた章の内容を確認するために。
男性側から見た妻に求めることがみっちり書かれており、確かに女性蔑視だ!って申し立てたくなる内容ではあったが、今後うまく夫と付き合うために、役立ちそうなこともいくつか書かれていた。
知的生活をする人 結婚に関して取るべき道は2つ。
子供を儲け、家事万端をいろうなくやり、真心を持って夫を愛し、夫の仕事に嫉妬することのないような質朴で忠実な女性。
基本的には後者を目指していると思う。
結婚生活における理想的な知的生活というのは、自分が一番関心のある、興味の尽きない問題について、常に夫婦で会話を交わすことができること。
日によるかなって感じ。
飽きずによく語りきかしてくれるけど、私の機嫌が悪い時は一歳夫の話が頭に入ってこない。
女性は科学的好奇心が欠けている。
図星。
理系を掲げてるけど、身の回りの役に立つ生物系に興味があるだけ。
今夫の興味のある量子力学の話はわからない。
夫婦関係以外のにも、女性に向けての手紙がちゃんとある。
同性とは付き合いづらいことがわかった高度の教養ある婦人へ
知的な女性ならうんざりしてしまって同性との会話を避けるよりも、女性の会話の質を向上させるような努力をした方がよい。
手はじめに良質の文学を推薦することから始め、次第に、注意を払うべきものに対して関心を目覚めさせていってはどうでしょうか。
教養ある女性がすべて同性の付き合いから締め出され、知的な人間には絶対必要な会話をわれわれ男性にだけ頼ってしまうというのは嘆かわしいことです。
私は、自分は女性に差別的だし、女性を下に見ていると言う自覚がある。
自分の認識の変容を試みようと、意識的にそのような感情に疑問を投げかけ、考える取り組みを行っている。
女性の愚痴ばかりの会話の中に入ることに意味を見出せなかったが、30代に入ってから、案外女子トークも悪くないな、なんて感じることが増えた。
「女子トークなう」スイッチを入れて自分も愚痴モードになれば楽しいのだ。
私は女子ばかりの環境に長くいる。(中学から女子校だった)
男性のことは夫の事例しか知らない。
でも、本を読むことによって、世の男性が考えることを少し知ることができる。
今まで、つまらなくて、居場所がない感覚に陥っていたが、こうして本を通じて、様々な思想に触れることで、案外、人生悪くないなと思えてきた。
本は、知的な女性の存在にも気づかせてくれる。
次回の記事に触れようと思っているボーヴォワールはまさに知的な女性だ。
私がいかに知的でないかに気付かされる。
強い、確固とした思想は、このようなものなのかと関心する。
こうした知的な本に出会えるのも、ブックコミュニティの魅力。
自分の知的レベルが上がれば良いなと日々努力している。
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