slowly life 〜読書、美術館巡り、ワイン、コーヒー〜

気ままに日頃考えていることを文章にまとめるブログ。

認知バイアス事典 社会心理学①単純接触効果 感情移入ギャップ ハロー効果 バーナム効果 ステレオタイプ モラル信任効果 基本的な帰属の誤り 内集団のバイアス 究極的な帰属の誤り 防衛的帰属仮説



本書最後のバイアスは、社会認知学からのアプローチ。
生活に潜む認知バイアスについて10個まとめる。


単純接触効果
特別な反応をもたらさないような物事に繰り返し接触すると、徐々にその刺激に対し好意的な感情を持つようになる現象。


恋愛、相手を恋に落とす作戦でも使われがち。
喋ったりしなくても何度も見かけるだけでも効果は高い。
ただ、第一印象が悪かった時は効果は示さないようだ。



感情移入ギャップ
対象に対して、怒りや好意など何らかの感情を持っていると、その感情を持たない視点から考えることが難しくなってしまうこと。


現在経験していることや感情に近いものほど人は共感しやすい。
過去に同様の経験をしていても、そのことは相手に共感を示す理由にはならない。
本を読んでても顕著で、心に響く本は、その時の自分の現状に近いもの、欲しい答えが書かれているものが多い。
小説を読むのに苦手意識がある私は共感力が低いからかも?と考えたこともある。


相手の立場に立って考えるためには訓練やロールプレイが必要であるという。
書くのは簡単だが、この訓練相当難しいぞ。



ハロー効果
どこか優れている点を見つけると、その他においても優れていると考えがちになる現象。


美人の方が頭が良さそうに見えるなど。
逆に悪印象を持たれた場合でも大丈夫。
ゲインロス効果
悪そうな人が良いことをすると良い人が同じことをした時よりも大きく評価が上がる。
人の感情は変化する量が大きいほどより強く印象に残る。



バーナム効果
ほとんどの人に当てはまるような、性格についてのありがちな説明を、自分のことを言い当てているとして受け入れてしまう現象。


「あなたはこう言う人です」と示された内容に合致する部分を後付けで自分の中から探し出してしまう。


「この効果を知ることで、理不尽に自己肯定感が低下することを防止してくれる。」と本書ではしめられている。



ステレオタイプ
性別・出身地・職業などの特定な集団やカテゴリに対して、他人の違いを無視し、1つの特徴でまとめてとらえること。


血液型分類などもそう。
前もって得た情報によって私たちの注意が払われる対象は変化する。


カテゴライズをある程度することで、相手と話す時の話題を見つけやすいというメリットもあるが、まとめて取らえることの弊害もある。
自分自身、相手がステレオタイプに縛られた発言をしてくると腹が立ってしまうこともある。



モラル信任効果
社会的に意義のある活動をしている人が、その価値ゆえに少しくらい非倫理的な行動をしても世間は許すだろうと考えること。


社会的に価値の高い仕事をすることが、従業員らの不正行為を促進してしまう。


仕事も家事も頑張ってる妻が、少しくらいと、不倫するとか?
何事も謙虚でいることが大切だとさ。



基本的な帰属の誤り
他者の行動の原因について説明するとき、その人の能力や性格などを重視しすぎて、状況や環境などの要因を軽視する傾向のこと。


当事者は外的要因、他者は内的要因に責任を見出そうとしがちである。


私が物を誤って捨ててしまった時、不注意だ!と責められたが、そもそもそこに置いてある事が悪いし、その時急いでたからっと言いたくなった。



内集団のバイアス
自分の所属する集団やその集団のメンバーを高く評価したり、好意的に感じたりすること。


ペットうちの子が一番可愛い!現象
現在働いている職場でも、何社も入っている分、あそこの会社の人は…って言う悪い評価をしがち。


集団間差別を解消するには、対立している集団同士が協力できなければ解決できないような課題を与えることが有効らしい。


共通の敵を見つけると団結しやすいのかも。



究極的な帰属の誤り
自分が所属していない集団やそのメンバーが成功した時には状況が、失敗した時は才能や努力が原因であると考えること。一方で自分が所属している集団やそのメンバーが成功した時には才能や努力が、失敗した時は状況が原因であると考えること。


自己認識は自分が所属する集団によって形作られる。
このバイアスによって、理不尽な思考に対する反省や、良い結果を出した相手に追いつくために努力する機会を失う。



防衛的帰属仮説
良くないことが起こった時に、その加害者もしくは被害者に自分の責任を重ね、異なる立場の人の責任を過大に評価すること。


何かを議論する際は、性別や年齢、職業など様々な属性を参加させることは大事。


政治の法案なども、男性や高齢者優位なものが多いように感じるのも、政治家が高齢な男性が多いからかもしれない。



今回の章も結構知られている内容が多かったように思う。
会社の方針、政治的なことなども、これらのバイアスの存在に気づいたら、意見しやすいのかもと思ったり。