slowly life 〜読書、美術館巡り、ワイン、コーヒー〜

気ままに日頃考えていることを文章にまとめるブログ。

酒まつり

noteで書いたことのある記事。

少し体裁を整えて。


自分の過去のことを面白く書くことができれば良いなぁと思い試みるシリーズ


「ある少女の物語」


少女は20歳未満の女性のことを指すらしい。


違法行為も含まれているが、どうか、時効だと思い、笑い飛ばしてほしい。



「酒まつり」というものを知っている人はどれくらいいるだろう。

わがふるさと広島県で毎年秋に開催されるお祭りだ。

広島県東広島市西条は酒の都であることをご存知だろうか。

日本の3大酒どころは、「広島の西条、京都の伏見、兵庫の灘」

西条で有名な酒といえば、賀茂鶴、賀茂泉、亀齢、白牡丹、福美人。

どれかで見聞きしたことがあるのでは。

酒まつりでは色々な酒蔵が、試飲スペースを設けていたり、酒蔵内を見学できたりする。


https://sakematsuri.com

酒まつり公式サイト

10月7日(土)・8日(日) 開催予定 0 Day 0 Hour 0 Minute 0 Second お知らせ

sakematsuri.com


酒まつりの中で一番盛り上がりを見せる場所がある。

大きな公園を完全に囲って、酒ひろばという会場が登場する。

全国各地の様々な酒蔵の酒が集まり、入場券を購入して会場内に入り気になる銘柄をいくらでも飲むことができる。(当時は)

中には開場後30分以内に無くなる銘柄もある。

最近は、毎年泥酔者が出ることなどの理由から飲み放題制度は廃止になっているらしい。

2018年からチケット制となり、2100円でおちょこ7杯分(1杯300円の計算)飲めるようになったみたいだ。

2023年は、10月7・8日に開催されるようだが、酒ひろばの情報が見つからない。

このご時世だし、コロナのこともあるし、酒ひろばを設けないのかもしれないなぁ。


そんな酒まつりにまつわるエピソードを一つ。

誰とは言わない、1人の18歳の少女の話である。

今は立派な大人になっているので、時効ということで温かい目で読んでもらいたい。


大学生1年生、18歳の少女はある催しを楽しみにしていた。

毎年サークルの皆で行く酒まつりというイベントだ。

特に酒ひろばでは色々な種類の日本酒を飲めるそうだ。

開場30分でなくなる幻の日本酒もあるらしい。

そのサークルは、そんな日本酒を絶対飲んでやろうと、開場前の朝5時くらいから並ぶ伝統があった。

この年も男子部員が1番前を陣取り、将棋をしながら並んで待っていた。

開場時間が近づくにつれ、人がどんどん並んでいく。

サークルの部員たちも前の列に加わり始める。

少女も並んだ。


ご存じの通り日本の法律ではアルコールは20歳からしか飲めない。

少女もそんな常識は心得ているのだが、誘惑に勝てるはずもなかった。

走るように入場し、幻の酒のある場所へ行き、列に並んだ。

おちょこに注いでもらい、先輩と声高らかに乾杯して飲み干した。

幻の酒は水のようにすっきりとしていた。

もう一度同じ酒蔵の列に並び2杯目を飲んだ。

その後も様々な酒を試した。


ブルーシートを持ち込み、場所を確保して飲んだり食べたり開場から終了までずっと酒ひろばで過ごしていた。

夕方になると泥酔者続出。

時々聞こえる救急車の音。

ここ、酒ひろばはカオスと化していた。


時間も来たため、会場を後にし、先輩の家に移動し飲み直すことになった。

少女も千鳥足で移動した。


先輩の家に到着し、ふと携帯電話をのぞくと親から沢山着信が入っていることに気づいた。

メールも何通か届いており、その文面にぞっとした。

「あんた、人生終わったよ!」

人生が終わる出来事なんて、そうそう思いつかない。


よくわからないまま折り返しの電話をかけた。

少女の母は開口一番「この馬鹿!」と言うではないか。

「あんた、今どこにいるの!人生終わりよ!完全に映ってたんだからね」

なんのことだか???

「もしかしたら、退学になるかもしれないのよ!早く帰ってきなさい!」


頭を整理し、詳細を聞くと、なんとまぁ偶然にも、、、そんなことが起こるものかと耳を疑った。

なんと、NHKで乾杯して飲んでいる姿が放送されていたらしい。

しかも1時間に1回、その日に何度も放送されていたようだ。

母はこれを見たのだ。

もし、大学側にこの動画が見つかった場合は未成年飲酒のため何らかの処罰が与えられたに違いない。

幸いなことに、大学内で彼女の顔は認知されていなかったようで、気づく教授陣はいなかった。


帰宅後、彼女は人生で数回しか味わったことのない母からのビンタを浴びたという。


だめ!絶対!未成年飲酒!!